隠居の独り言 5

神奈川県茅ケ崎市で90歳になる女性の運転していた車が信号が赤色なのに横断歩道を渡っていた人を次々と撥ねて女性一人を死亡させた。前橋市でも85歳の男性が登校中の女子生徒に突っ込んだ事故・・2年前には立川市の85歳の女性の車が暴走して2人が死亡し裁判で禁固2年の判決・・加害者も被害者も、こんな悲しい運命に巻き込まれるなんて事故の寸前まで思いもつかなかったろう。でもこれが現実だ。ボクも高齢者ドライバーなので胸が痛む。今も時々運転する。18歳で免許取得以来、70年近く毎日のように仕事で運転し、安全で過ごせたことは感謝以外の何物でもないが、今後も無事故の保証はどこにもない。仕事上やむを得ないといえ、万が一事故を起こしてからでは遅すぎる。年齢も85歳で、確かに歳を重ねるとスタミナが落ち、判断力、注意力など緩慢になるのは事実で今では夜間、雨の日は控えている。今年の仕事が落ち着いた時点で免許証返納を考えている。運転免許証を保有する高齢者が、高齢を理由にハンドルを手放す決心がつかないのは、車の便利さと運転歴の自信と、地方に住む人は車が必需品なので、これからの不便を考え手放す寂しさが交差して悩むだろうが、気持ちは分かるけど加齢に伴う視力や反射神経の低下は確実に事故に繋がる。ボクは若い時から車が好きで、初めて免許証取得したのは待ちに待った免許証が貰えるギリギリの18歳の誕生日で、それほど車を運転したかった。当時は車教習所が殆どなく、いきなり鮫洲の試験場で取ったが、その前に無免許運転で練習した(もう時効)・・仕事に遊びに、マイカーとの思い出は枚挙に暇はないが、悲しいかな、年齢の衰えは逆らえない。85年余りを無事に生きて、晩年を汚しては人生が勿体ない。思い切りも老人の美学といえる。