隠居の独り言 13

先日の読売新聞での「人生相談」に載っていた。題は「怒ると無言攻撃をする夫」で、パートで働く40代半ばの主婦「夫は私に対し気に入らないと何ヶ月間も黙り続けて無言の攻撃をしてきます。何を怒っているのか尋ねても一切答えません」梅雨前の天気は晴と雨が交互だが同じ天気も「お天気屋」というのは薬も無く神さまも救えない。「お天気屋」は法律違反でないが、精神医学上も原因も正体が掴めていないので余計タチが悪い。精神医学で言う躁鬱の気質とは違ったものらしく、むしろ表面的には社交的で人々をわけへだてなく接して好意を抱いている人と、そうでない人とを狡く見分けている。人間の性格には二通りあるが自分の意見を強い意志で通す人、それに従う人・従う人は自分の主張もできないまま相手の沈黙を受け入れて、時の経過を待つしかないのが辛い。救われないのは、当人のその時の感情の起伏で人に迷惑をかける自覚が無いのが勝手なところ・しかも年齢が重ねるほど隠れていた「お天気屋」が回数の頻度が多くなっていくのが顕著になっていく。「お天気屋」なるものは、どんな地位の高い人でも、どんな機知に富む人も、どんな才色兼備な美人も、どんな立派な常識人も心の問題だから始末が悪い。発散される方は迷惑千万だが、反論できないのも生まれ持った優柔不断な性格を慰めるしかない。歳を重ねるごと性格が丸くなる人が大部分だが、中には性格が角張って悪くなる人もいるのだろう。昔、ギリシャの哲学者・ソクラテスも「お天気屋」の奥方と友人たちには生涯にかけ悩まされたという。ソクラテス曰く「汝が良妻を持てば幸福者である。汝が悪妻を持てば哲学者になる」自分に置き換え哲学者になる才もなく今日も悩んでいる。