隠居の独り言 15 

今年の娘のP教室の秋の発表会の曲目が出そろってきた。仕事場の隣部屋が教室なので毎日生徒さんのレッスンを聴かしていただいて音楽好きのボクにはとても幸せに思う。思い出すのは12年前モーツアルト生誕250年になる年は多くの生徒がモーツアルトを弾いたが、今年秋は下の孫が「きらきら星変奏曲」を演奏する予定で練習にいとまがない。別の生徒さんはモーツアルトトルコ行進曲を練習している。ボクはモーツアルトが好きなので生の演奏は、とても幸せ・・この華麗な音楽を作り出した超天才は後にも先にも二度と世に生まれないだろう。しかしモーツアルトが生きたのは僅か35年で勿体無さ過ぎて言葉もなく、最後は経済的にも非常に苦しく貧困の極みの内に、この世を去ったとされるが何故そのような結末になったのか解せないのが多いという。神はどうしてこんな早くお召しになったのか。神を恨みたい。一説には妻のコンスタンツェには浪費癖があって、多くの作品の収入を使い果たし、家族の生活費のために彼は体を酷使して命を縮めたのが原因らしいが、亡くなっても妻は葬式も出さず遺体は貧困者や行き倒れた人たちと同じ場所の共同墓地の教会の地下に棄てられたらしい。何という酷さ、何という冷たさ、彼の死後コンスタンツェは貴族と再婚したらしいが、後世でソクラテストルストイの妻たちと共に歴史上の三大悪妻にされた。当然だろう。神童時代にベルサイユ宮殿に招かれたモーツアルトは演奏を聴きに来ていたお姫様、マリー・アントワネットに「将来、僕のお嫁さんにしてあげる」と言ったそうだが可愛いモーツアルト少年の将来が苦難の道を歩むとは誰が想像したことだろう。苦難の35年の生涯を掛けて作曲した626曲全て、どれを聴いても素晴らしいのは音楽史上無二といえる。かつてギターで猛練習をした「魔笛の主題による変奏曲」を再挑戦してみようかな・・