隠居の独り言 23

報道によれば近く起きるであろう「南海トラフ地震」には予知が困難だという。30年以内にM8-9クラス地震が起きることの確率60-70%とされているという予報だけ、といわれても日々暮らしている我々はどうしようもない。現代もどんなに人類の英知と化学技術をもってしても地震という自然現象に立ち向かうには完全に無力だ。東日本地震で多くの命を奪われ大きな犠牲と教訓を教えられたが、それでも自然は知らん顔、残酷なもの。思えば東日本大地震も想定外だった。地震学者が、どんなに研究し予知や確率とかでも幻想に過ぎない。大自然には相手のご機嫌さえ伺えないのが現状で、津波も台風も噴火も自然破壊に何の打つ手はない。ただ逃げるしかない。であるのに人間という生物は地球の王者と勘違いし、殆どが制御可能と豪語する。ITだのバイオ技術だの、スーパーコンピューターと言っても予知も出来ないのは人はそこまで達しない。言い方を変えれば地球上でチョロチョロうごめいて、人間はほかの動物や虫けらとたいして変わらない。人も自然災害に対し「三十六計逃げるに如かず」うまく逃げおおせたとしても、生き延びるためには食べる、飲む、排泄する、人も自然の生物であり、どんなに科学文明の発達した時代でも生死という自分に与えられた宿命から逃れることは出来ない。便利さのみを追求してきた人間にとって大地震はちょうどよい目覚まし時計の自然の贈り物と思う。大地震到来をリセットできる完全な目覚まし時計を完成させる宿題は大きなテーマだが、為し得たとき、人類のバラ色が見えてくる。