隠居の独り言 25

第二次世界大戦直前のヨーロッパではドイツ、イタリアが軍事増強と領土拡大に勢力を傾け、それを阻止しようとイギリス、フランス連合との衝突は不可避になっていたが,イギリス首相チェンバレンはドイツ・ヒトラーと宥和政策でミュンヘン協定を結んだが僅か一年でドイツは協定を破りロシアと共同してポーランド東西から侵攻でご破算となる。協定とか軍事同盟などは、破られるためあるようなもので日本も大戦末期にロシアが不可侵条約を一方的に破棄し、満州での悪逆無道ぶりは言を俟たないが、ついでに樺太千島、北方領土を奪い取って今に至っている。16世紀の日本国内でも同じような争いに明け暮れた。群雄割拠の戦国時代は,戦に明け暮れ、勢いが均等しているときは同盟関係か、それより深い姻戚関係での平和を模索した。戦国中期の関東甲信越の地帯は屈指の英雄達が激突ししのぎを削っていた。相模地方の北条氏康は関東一円を支配下に置くために積極的に北上し、駿河今川義元は東海地方から京都に向けて覇権を求めて西進し、甲斐の武田晴信は勢力拡大のため信濃へ進攻を開始していた。北條、今川、武田の三者は年齢近く知略、軍事、経済が伯仲して均衡破り難く互いの息子や娘が政略結婚をして三国同盟締結で後顧の憂い無く、彼らは近隣を征服した。親密な仲でも今川が弱くなった時も、武田が滅んだ時もどこも知らん顔・・それは現代でも言える。日米同盟がどんなに強固も日本が弱くなれば米国に見捨てられる。間近の米朝会談も日本の思うように進まない公算大・・歴史は繰り返される。現代は民主主義国の日米豪印と全体主義国の中露が対立している。中国の軍備増強は留まるを知らず、今後のアメリカと中国の出方次第では第三次世界大戦も現実味を帯びてきている。その中で日本だけが浮世を忘れたようにモリカケで国会が騒ぐ・・これでいいのだろうか。先の戦争の悪夢はまだ覚めない。