隠居の独り言 36

7/13日は東京近辺では、お盆の「むかえ火」にあたるが、盂蘭盆(うらぼん)とは、梵語によれば逆さまに吊るされた地獄の苦しみを意味するらしく釈迦の弟子の目連の母が、死後地獄に堕ちて苦しんでいるのを知り「7/15日に夏の修行を終えた僧たちに飲食を施し彼らの力で供養せよ」と釈迦の教えに従い目連の母を助けたのが謂われだそうだ。その慣習から盆に祖先の霊に食べ物を供え僧侶に布施をするようになったと云う。13日夕方になると迎え火を焚いて、お霊をお迎えし家族が集まって先祖の霊と食事を共にして僧侶にお棚経を読んでもらい、16日には送り火をして霊が西方十万億土にお帰りいただくのがお盆の基本のようだ。けれど、今でもきちんと盂蘭盆会の行事をしている家庭は、ごく僅かで全国的にみれば1ヶ月遅れの8/15日が多いが旧暦の習慣からも盆は真夏の暑い季節の方が合っている。形を変えて夏祭りや盆踊りなど夏の風物詩は日本全国に定着したが、最近は核家族のせいか習慣もなおざりになり、ご先祖さまもお怒りだろうが、これも時代の波には勝てず、ますます遠い慣習になって忘れ去られていくのだろうか。昨今の盆休み連休の思い出は先祖の墓参りは置いても家族で海や山へ遊びに行くのはご先祖さまから見れば子孫が幸せなら喜んでいられると勝手に解釈している。東京の盆の行事が過ぎれば子供たちの夏休みが近い。今年はどこへ行こうかな。