隠居の独り言 47

戦後の一時期、高等小学校に通うボクは姫路に住んでいた。当時の姫路は上下水道がなく、井戸が唯一の水資源だが、その井戸水の有り難さは水温が夏は冷たく、冬が暖かい。暑い日に外から帰って冷たい井戸水を飲んだ時の喉を潤す爽快感は何事に変え難く冬は炊事や洗濯など適度に温かく寒さに震える気持ちも温めてくれた。夕方近くに課せられた仕事のひとつに井戸の水を汲み上げて、五右衛門風呂に入れる作業は尋常でなく水の重さと回数に夏は汗をかいた。もちろん水の循環は炊事、洗濯、風呂等の水の使い捨ては全てが家の周りの田畑や道に撒いて地面に沁みていったし、水以外の廃棄物は食料の燃料で、釜戸で燃やし灰になった。食べ物の残りは犬や猫が食べ、排泄物は田畑で土に還り、廃棄物は殆ど発生せず無駄なく循環の構成が出来ていた。当時は食糧難だったが何事も勿体ない心が持ち合わせた。報道によるとコンビニに並ぶ弁当やおにぎりは販売期限が近づくと捨てられる。全国のコンビニで、2017年度で食品の廃棄が384〜604トンとの膨大な統計だが、何とも勿体ない。それなら始めからそんなに作らなければいいのではないか!たとえ品切れでもいいではないか。弁当が消えても飢えない。コンビニは氷山の一角で日本は食料自給率が40%しかなく、世界で最も多くの食料を輸入している国が年間1900万トンの食料品を廃棄処分になっているのを何とかしないと罰当たる。隣の国は核に夢中になって一方で餓死者が年間何十万人も出しているというから施政者の金王朝一派にも罰が当たる。世界中で飢えに苦しむ人たちが10億人以上もいるという。人間の欲望に限りがないが飢餓は二度とあってはならない。 「人間が生きるため少しの勇気と、少しの金があればいい」 チャップリン