隠居の独り言 100

商談が纏まり発注書が送られてくると「よかった!今夜は一杯」小僧の頃は社長始め同僚は待っていたよう酒場へ乗り込んだ。ところがお酒の呑めない下戸にはそれが苦痛で困ったものだ。下戸は人生の楽しみ半分と言う。祖父も親父も呑めなかったので倅のDNAは仕方ない。しかし下戸の不運は折角商売が上手くいったのに祝杯無しとは我ながら情けない。アルコールは若い時分から駄目で「お前、付き合い悪いね」と人さまから蔑まれた。「酒は百薬の長」と言われるまでもない。お酒一合、ビール一杯、体にとても良いことは百も承知の助・・食欲の秋は酒の味もまた深まるという。つまみを食べながら酒を美味しそうに呑んでいる人を見ると下戸の身が情けなく若い頃に随分訓練したがたった一口でヘベレケ酒乱状態は話しにならず、しかも恥ずかしくて酒の修行は遂に断念した。でも何かの会合や冠婚葬祭のお酒の席では飲める振りして付き合うのも相当の気苦労と忍耐が必要で、その憂鬱さは下戸の身でないと分からない。持って生まれた不運と諦める。安倍総理も噂で下戸と聞くが「飲んだふり」がお上手らしくて頼もしいが晩餐会の席上でシャンパンの乾杯の後の始末は、どうなさっているだろう。諺に「下戸の建てたる蔵は無し」で酒を嗜まないからって蔵を建てたという話は聞いた事がない。現実にそういうものと思う。良いことは飲酒運転は絶対ない。自慢じゃないが18歳で運転免許取得し毎日のように運転し約70年、無事故でかすり傷も無い。ボクの唯一勲章だろう。といって老いていく身はスタミナ減で、免許証返上を決めた。「酒も煙草も 全て無縁で 長生きしてる 野暮な奴」 駄作