隠居の独り言 102

原発問題になると世間は原発反対が正義の味方のような風潮になっている。福島原発は確かに取り返しつかない大失敗だったが、それだからって原発を無くそうという案に何故か素直になれない。理由は二つ、一つ目は今の段階で原子力に勝るエネルギー源が見当たらない。周知通り電気というのは貯蔵することが出来ない。事故以前の電力事情は夜は原発を基準に電力を賄い、多く使う昼間は足りない部分を火力と水力で賄った。原発中止の現在は火力発電所で燃料を燃し続けなければならない。当然に燃料の液化天然ガスの輸入が増え、その金額は年間7-8兆円に上る。片や事故処理費用は保証、廃炉を含め、年間2兆数千億円で計算上は原発稼働のほうが得になる。電気料金が安くなれば一般家庭の電気料金はもとより、日本経済にもたらす効果は計り知れないものがある。たしかに日本は地震列島で殆どの地域で活断層ができている。地震にも避けることはできない。といって年中大地震が起きているわけではない。地底の深い断層が動くことによって地震が起きるが一旦大地震があると、しばらく断層は収まり、エネルギーが溜まると地震発生する。つまり地震の周期で、今回M9東日本大地震は2011年、その前に起きたM8三陸地震は1933年、明治に起きたM8三陸地震は1896年、と周期的に40年から80年で地震の発生する間隔になっている。それは三陸沖に限らず日本列島どこも条件は同じだ。それなら活断層が休息時に原発稼働すればいい。今なら三陸原発を30年限定にし、しばらく休んで次の地震に備え、地震が終われば稼働する。現在は南海トラフ巨大地震が近いという。だから当分の間、日本列島の太平洋側の原発は休んでいた方がいいだろう。その間、東日本、北海道の日本海側の原発を使えばいい。無論、原発安全基準は重要だが最初から原発反対ありき、では工夫の無さが情けない。大規模地震のメカニズムは一旦収まればしばらくの間、次の発生まで時間がかかる。日本なりに原発稼働の時期や使い方を工面すればいい。二つ目は世界中の流れが原発依存になっていることだ。今では残念ながら太陽や風力の現在の技術では未だに需要に追いつかない。産油国アラブ諸国でさえいずれ石油枯渇を見越して原発の推進をしている。日本人の原発技術は世界のトップクラスで各社が頑張っている。もし日本が原発を中止してしまえば若者の技術離れに拍車に掛かり日本のみならず世界の損失であることを知るべきだ。原発を考えるとき地球俯瞰で取り組もう。蟻の目でなく鷹の目で世界観を見る勇気が欲しい。人類は数々の失敗を乗り越え現代の繁栄になった。発展を止めてはならない。