隠居の独り言 103

少子高齢化問題の先進国の多くは人口減少に困っているようで、かつて欧州では労働者人口を補うために旧植民地の人たちが移民する国が多かったが、ところが今では中東やアフリカから大勢の難民が殺到し、それが従来の住民たちの職場の安定、言葉や文化の壁、治安問題など多くの悩みを抱えることになる。少子化対策は高齢者の年金、健保を下げるか、子育て世帯の所得を上昇させる、この二つを両立させる方法が非常に難しい。欧州では子育て世帯向けと、高齢者向けの公的支出の割合は2-3倍くらいだが日本は8倍で高齢者に厚く子育てに薄いのは数字を見ても明らかだ。現実に子育てには相当お金が掛かる。わが家は6人の孫と暮らしているので経済に追われる日は続く。誕生の日から成人するまで掛かる費用は政府発表の試算では子供一人約3500万円が必要で、一世帯3人の子を育てれば1億円以上が消えて生涯賃金2億円といわれる半分以上が子育てに使う事になる。歴史を遡れば古代ローマ少子化を懸念したらしく初代の皇帝アウグストゥスは未婚の女性に対し「独身税」を課し、能力が同じなら子供が多い男性を優先的に公職に採用し結婚と出産を奨励した。この制度は300年続き抑止力として相当な成果をあげた。国を挙げて少子化問題に本気で取り組むなら子供を持つ家庭に経済支援をするべきで税金の控除のような中途半端なものでなく子供が3人いれば手当で食べていけるぐらいの本格的援助をする制度が必要だ。一方の年金所得をどのようにするか。消費税の全額を当てる。政府は移民政策を考えているようだが、それは絶対に反対で日本の伝統と文化に外国人は馴染めないし「日本」が滅びる。しかし日本人だけで少子高齢化を乗り切るには、それだけの努力を受けいれる覚悟も必要だ。年金一元化議論も不可欠。ボクは戦後混乱期に働いた者だが当時は年金制度も不備で、大抵の人は働いた金の余分の大部分を貯金に回したもので目的は「老後の生活」のためで年金の充実している現代ではとても考えられない。世界最高の貯蓄率は各産業の発展にどれだけ寄与したのか計り知れないが、当時の事はさておき国家存続のため抜本的に改革する時は待ったなしと云える。