隠居の独り言 106

今日10月10日は1964年に開かれた東京オリンピックを記念して「体育の日」としたが変更され10月第2日曜日にセット連休になっている。折角の東京オリンピック記念日を連休のために変更するなんて何のための体育の日なのか、これは国民の体育のための関心も薄れるのは当たり前で、役人の無粋さに呆れ果てる。日にち変更は記念の意味と歴史の節目を変えるに等しい。人の一生も誕生の日から、三ヵの祝儀、お七夜、宮参り、お食い初め、初節句、等々、僅か一年間でも誰もが通ってきた大切な日であるはずで、まして国を挙げての記念日の日にちを覚えないと意義や価値が半減してしまう。あの日、10月10日の開会式は前日までの曇が嘘のよう東京の空は雲一つ無い快晴で、天までがオリンピックを祝福してくれた素晴らしい日だった。それは説明の出来ない奇跡と不思議としか思えない。そして日本選手の活躍目覚ましく、金16銀5銅8の米ソに次ぐ3位の成績だった。中でも男女バレーの優勝、体操、レスリング、柔道、重量挙げ等キリなく忘れられない。戦後20年近く経って敗戦の惨めさからも立ち直り日本が初めて国際感覚を身に付けたキッカケだといわれている。外国から選手ばかりでなく観光客やマスコミの関係者がどっと日本各地を訪れた。これほど多くの外国人が来て街々を歩き、接点を持ったのは初めての出来事で事実上日本が戦後初めての開国した日といって過言ではない。ボクも毎日のように競技場近くを見聞に出かけていた。街々の飾られた万国旗を見て世界一周した気分がした。そして新幹線が走り出した。日本の夜明けの思いがした。東京オリンピック=10月10日=「体育の日」に戻そう。