隠居の独り言 111

最近の男は弱くなったものだ。特に中高年の定年後の衰えの加速度は目に余る。男の衰えに反し、高年女性の元気なこと!何故、男は弱くなってしまったのか?何千年も昔から外敵から家族を守るためには体が大きく力が強いのが男の条件であり、それは時代が過ぎ、他国との戦争も男は大事な存在であった。当然に男社会になったが、今では外敵も少なくなり男の仕事も営業や計算など強い立場が無く事務的な仕事は男も女もない。それに輪をかけて男女雇用均等法が施行され男の自尊心が損なわれ自信も失った。仕事で働き、男は一応お金を稼いで妻子を養う自負があったが、それは現役だった若い時であり、やがて定年で家庭に入ると今まで気付かなかった事が多い。家事一切不得手で何も出来ない。箪笥の中身も分からない。近所付き合いの挨拶もできない。生活の経費が分からない。サンデー毎日の日々の生活は妻との会話も無くなる。等々、男には変化に対応する順応性に欠けているのが特性だが歳を重ねる度に頑固になり、人の意見にも耳を貸さなくなり保守的で内弁慶で、権威主義の塊の威張る年寄りが多い。俗な言葉に釣った魚には餌をやらない、というのがあるが程度の差はあれ男の本性を言い当てている。多くの男は恋愛時代には彼女の気持ちを惹きつけるため誠心誠意、尽くすが、結婚で共に暮らすと熱かった愛の炎は鎮まり、男の方は安心して手抜きがますます大きくなっていく・・女も始めは見せなかった素顔を露わにダラシナイ恰好やあからさまな態度を見せ、本性を現しながら変化していく・時間の経過のマンネリは仕方ないが緊張感も無くなって愛のボルテージも失われるのも熟年夫婦というものだろう。しかし只一度の人生行路で、今の相手を神さまが夫婦の縁を取りもってくださった以上は仲良く暮らすための努力を惜しんでは折角の人生が損をする。長年暮らした夫婦に最も大切なのは会話で気軽にさりげなく言葉を交わすのが相手を癒し安心させる。それが夫婦間の潤滑油になって男の眠っている能力を引き出すことにもなるのではないか。妻に気遣いするのも、ひいては男の老後対策の一環・・