隠居の独り言 136

わが家の近くの横網公園は日々のボクの憩いの場所だが、いつも座るベンチの横に「鳩に餌をあたえないでください」の看板が立っている。鳩の公害は、羽毛のアレルギー症状や鳩の糞の病原菌の媒介や、鳴き声や羽音の安眠妨害など・以前は公園の中にある売店ではハトのエサを売っていて、子供たちがエサを与える風景もあったがそれもなくなった。そのせいか公園の名物だったハトがめっきり少なくなった。ハトばかりじゃない。最近はスズメやカラスも公園に少なく、鳥の生態について知識も心得がないから何も言えないが、人間と同じ場所で暮らして馴染みになっている鳥たちが同世代に生きる人間の仲間として親しく同居したいもので鳥たちが居なくなれば何か悪い前兆とまで言いたくないが何か物足りなさを感じているのはボクだけじゃないと思う。ハトは平和の象徴として世界からもてはやされているが、実際は厄介者扱いで、反面タカは戦争のイメージでも昨今は数が減って絶滅危惧種に指定され大事にされる。人間は勝手なもので動物の数が増えれば平気で間引き減れば慌てて保護に当たる。カラスだって同じ運命で「カラスの赤ちゃんなぜなくの」「カラスが鳴くから帰ろう」昔の童謡に欠かせなかったが生ゴミを餌にして嫌われ、鳴けば不吉があると嫌われる。カラスの体の色が黒で黄色とかピンク色だったら、さぞかし愛でられただろうが、黒色だったため嫌われた。スズメも地味な茶色のために大抵は無視される。でも先方には先方の都合があって、色を決めているのだから人間は批判をする資格はない。それにしても日本の大都会では新都市計画とやらで、やたらと樹を切り倒し野鳥の数も種類も激減している。人間は見た目の可愛い動物だけを「動物愛護」などと言っているが、ペットの犬や猫には愛情いっぱいでも人間のすぐ傍で暮らしている鳥や虫には関心が薄い。人は生物を食して生きているわけだからせめて近くの小さな生き物に情を注ぎたい。今の季節は公園の銀杏も色づきベンチに座りながら歩いてきた人生を偲びながらフランク永井の歌を歌う。♪鳩が飛び立つ公園の 銀杏は手品師 老いたピエロ・・・銀杏の黄色はとても好きだ。公園があって銀杏があり、銀杏があって鳩がいる。秋の風物詩に鳩は欠かせない。今年も一か月半、鳩の群がる公園の銀杏は素晴らしい。少しはハトにエサをやってもいいじゃないか。