隠居の独り言 138

世界の人口は75億人という。2055年には100憶になる。これは人間が生きられる限度という。地球の陸地面積が限られて食糧増産が人口増加に追いつかない現状では、国家間の争いは避けられず食糧不足の戦争は不可避で、アメリカの一国主義も、中国の覇権主義もこの一環であり、強いものだけが地球上で生きる権利を得て、弱いものは生きる術がない。したがって戦争は終わらない。森羅万象、この世は食物連鎖で、植物から動物に至るまで生態系の食うか(捕食)食われるか(被食)を繰り返して生きてきた。人は頂点だが、可愛いとか、哀れみは人の感情であって食物連鎖でない。現実に椅子取りゲームが始まっている。飽食でメタボの欧米人と飢えで痩せたアフリカ人がいる。人間と動物と、この狭い地球上で共生することの難しさ、考えるほど迷路になる。地球の大きさ=人口定数があり、現世は有限であり、動物界に、例えば種の存続のため「集団自殺するネズミ」が存在し、自殺するという本能が、ある種ネズミのDNAに刻印された可能性があるという。ネズミといえば、ペストを媒介する動物で14世紀にはヨーロッパの人口がペストの大流行によって激減した。20世紀に入ると肺病や梅毒などの疫病もあり人間の愚かな戦争も確実に人口調整の役割を果たしている。最近の少子高齢化も自殺本能の可能性との説もある。動物分類学上では約100万年前、類人猿の仲間からホモサピエンスという種の原生の人間が生まれたが、石器を使うようになり、アフリカから全世界に広がって火を起すのを考案し、弓矢や釣り針で動物を仕留め、農耕と牧畜を始めて、人間は地球を支配してきたが地球46億年を仮に1日とすると農耕を始めて0.2秒、長い地球の歴史からみれば、一瞬の瞬きに過ぎない。地球規模からすれば今後どんな自然災害が起きてもおかしくないが人間の想定外の覚悟が必要だと思う。ボクにも孫がいる。今は孫の受験合格祈願に神社に通う爺だが、考えれば誰か合格すれば誰かが落ちる。まさに受験戦争は人生の生存競争の始まりといえる。探偵マーロウの言葉に「強くなくては生きられない、優しくなくては生きる資格が無い」は至言と思う。