隠居の独り言 155

少子化の問題が前から叫ばれているのに国民の意識の無さや政府の無策ぶりが浮き彫りになるような数字が報道されている。子供を育てるのに教育の費用だけでも、幼稚園から大学まで全て国公立の学校で学んだ場合の学習費は約860万円に対し全て私立の場合は約2260万円と2,6倍になることが分かった。でもこれは数字の計算だけで国公立の小中高の学校の勉強で、とても国立の大学へは入れない。小学高学年の私立中学への学習塾の年間費用は75万円、公立の中高生も塾通い75%で学校以外に多額の費用が掛かるので親の収入が高くないと、いい大学に入れない現実があると専門家は指摘をしている。その他、子育てに掛ける費用は莫大で愛情だけで育たない。子供を産みたくても育てられない。ますます少子化に拍車が掛かる悪循環だ。一方、政府は来年度予算で学校の教員を増やす計画らしいが役人の考えはいつもピントが外れている。教員を増やしても今の勉強で世界の先進国の水準に達せず、結局は塾通いで親の負担が増えて、ますます収入の格差がそのまま教育格差になっている現状を文科省はどう思うのか。わが家は孫が6人で、大雑把に見積もっても教育費だけでも気の遠くなる金額だが、子は育ち現実は待ったが効かない。文科省は子供が塾へ行かなくていい質の高い教育を目指し教員を増やせば良いということでない。勉強が不得手な子、スポーツに熱中する子、心が孤独な子、子供もそれぞれで義務教育である以上基礎的なことは教えなければならない。それは分かるけど上を目指す子には高度な勉強が必要で、塾の存在はこうして出来上がった。さまざまな矛盾を抱えて教育の二極化が進みながらの現状がある。