隠居の独り言 162

今日12月23日の天皇誕生日で陛下は85歳になられる。昭和8年生まれで昭和動乱の同じ世代を生き抜いてきた同年生れとして親しみを持ってお誕生日のお祝いをしたい。昭和8年といえば世界全体で戦乱のいぶきを感じはじめドイツではヒトラーが首相になりナチスが政権を獲得してヨーロッパでは世界大戦を予感させ、日本は軍を満州華北に進め、国際連盟満州撤退勧告」を蹴って時の外相・松岡洋右は国連脱退宣言をして世界から孤立する。大正ロマンから昭和モダンにかけての1910-20年代アメリカや日本も繁栄したけれど、1929年のアメリカの株価大暴落の世界恐慌で一挙に国際協調路線が崩れ、第二次世界大戦への大きな一歩を踏み出すことになり各国が全体主義の道でぶつかりあって戦争へと進む。日本中の男たちは赤紙一枚で強制的に兵隊に取られ、残された女子供らは、様々な難儀な苦労を強いられて、そのうえ戦争末期には空から焼夷弾爆撃に逃げ回り、果ては原爆投下による体験は惨憺たるものだった。敗戦になり極東軍事裁判では昭和天皇の誕生日の4月29日に被告人を起訴し2年後の天皇誕生日の12月23日に7人死刑執行の意地悪さは忘れない。アメリカの皇室に対する卑劣な作為に怒りを覚える。先の戦争の反省は、負けた事、惨めなものばかりが教えられ、日本人として生まれた幸せ、自信、尊厳を軽んじているのは情けない限りだが世界大戦に至る経緯や原因を追求して、何故ヒトラーと手を組んだのか、何故同盟していた英国と手を切ったのか、日清日露の勝利が指導者と国民の気持ちを傲慢にしてしまった。それは現在でも同じで国際情勢を長い目で見ること、欧米などの民主国家を選ぶのか、中国ロシアなどの全体主義国家と手を結ぶのか、間違えてはいないか、戦争の反省は好き嫌いはあってもアングロサクソンと仲良くするしかないだろう。陛下の生きられた時代は国の浮沈に関る時代で、ご心痛であったに違いない。平成が終え、来年に天皇皇后両陛下はご隠退される。後は御心身共、ごゆるりなさいませ。国民の願いです。謹んで85歳のお誕生日、おめでとうございます。