隠居の独り言 165

最近「絶食系」という言葉があるらしい。絶食といって食事を摂らないことでなく所謂、結婚したくもできない「草食系」男の行きついた言葉で、昨今の晩婚化、非婚化を象徴している。草食系のみならずそもそも結婚したくない「絶食系」の若者が増えている世相だ。報道では異性との交際経験のない人や結婚を選択しない男と女が増加して未婚社会が進む現状で生涯1度も結婚しない「生涯未婚」の人が急増しているという。また別の調査からは「女性と付き合ったことが一度もない」と答えた20代の男性が35%女性も30%というから大差ない。若年の男性が草食化していると言われて久しいが女性への関心があっても自分からは積極的に動こうとせず女性から近づくのを待つという消極的男性が多いのも嘆かわしい。「付き合うのが面倒だ」「声をかけてもどうせ断られる」と消極的な「絶食系」は男性ホルモンの欠乏症なのだろうか。異性を求めるのは理屈でない。健全な心身の持ち主なら当然に行動に走っている。男性は自らを強く磨き、女性は身も心も美しくなるのは異性への憧れと本能の以外ない。最近は格差社会ともいわれるが男女間にも顕著に表れる。男女交際を楽しむ若者もいれば独り身の気楽な人もいる。少子高齢化の加速は必至だが医療費や生活保護費などの増加が懸念され国民の今の生活レベル維持が難しくなる。家族制の崩壊はもとより将来病気に罹れば誰もが医療が受けられないし生活に困れば助けてくれる制度も無くなる。一昔前の日本は「家」を守る見地から家と家の親同士が結婚相手を決め当人たちも素直に従ったが、それもない。子供の頃に小学校で教わった日本の人口は今の領土に換算すると約6000万人だったが自然が手近にいっぱい・今の約1億2000万人は狭い日本の領地では窮屈すぎる。絶食系による人口減少は良い意味の自然淘汰なのだろう。日本の将来の幸不幸は今の若者に託されている。