隠居の独り言 174

今から二世紀前になる1814年にナポレオン戦争終結と、ヨーロッパ全土の秩序再建とフランス領の領土分割をめぐりロシア、イギリス、プロイセンオーストリアローマ教皇国の六カ国が集まってオーストリアの首都ウイーンで開かれた。いわゆる「ウイーン会議」で各国の利害と欲望が対立して、最初の会談から数ヶ月が経っても遅々として進行しないで「会議は踊る、されど進まず」と、有名な言葉で揶揄された。ところがナポレオンがエルバ島を脱出したというニュースが入るやいなや、ナポレオン以前に戻すという保守的な線で各国が妥協して終わるが映画にもなり粋な音楽も生まれた優雅な時代と違って、現代の北朝鮮をめぐる六カ国協議は有名無実で、実質は北・中国連合とアメリカのせめぎあいで生易しいものではない。むろん北朝鮮核兵器やミサイルを完全放棄して拉致を解決すれば終わりだが、北朝鮮として金体制の存続に核保有が唯一のカードで放棄するはずなく、中国・ロシアは現体制の維持で北への援助は続けるだろうし、韓国は「太陽政策」とやらで北に接近して一線を画している。各国もタテマエは北の核放棄だが、といって妥協点は無く堂々巡りの不毛の論議はもういい加減に止めたらどうだろう。ウイーン会議と、北朝鮮をめぐる六カ国協議での共通点は、話が纏まらないのと原因作った人物がナポレオンと金という個人の仕業が似ているが、決定的な相違点は北東アジアは、ヨーロッパの国々と違い、それぞれ信じていないということで、その辺りはヨーロッパ人よりアジア人が劣る所以ともいえる。解決には金体制の崩壊しかなく長い道のりかも知れないが地道に現在の圧力を続ける方法しか手の打ちようがないが、拉致の問題は遥かに遠く、北にその気にさせるには日本の自衛隊が直接取り戻しに行く強烈なメッセージがなければ不可能で、そのためには憲法改正が絶対の条件となるが国を守るとはそういうこと思う。国民すべて目覚めて欲しい。アメリカの軍事力で一挙に潰してしまうのが最も早いだろう。一昨年にアメリカ空母2隻の軍団が臨戦体制に入ったが何故かトランプが止めてしまったのが今は惜しい気がする。予断は許さないがアメリカの軍事行動の選択肢は消えない。「歴史は繰り返される」というが人類が地球上に現れて以来何千年に亘り権力の栄枯盛衰を繰り返しながら国の地図を塗り替え今日に至る。でも人類の戦争の循環は止まらない。