水無月

harimaya2005-06-02

卯の花の匂う垣根に、時鳥早も来鳴きて・・
唱歌「夏は来ぬ」の歌いだしだが、梅雨時前の
晩春の情景が美しく詠われた歌詞は素晴らしい。
ほととぎすを時鳥と書くのも、夏がきたよ、と
時節を告げるために鳴いた、と感じたのだろうか。
六月に入って雨の季節が近いが「水無月」とは?
雨季によってお月さまが見えない事なのだろうか。
「五月雨」とは梅雨の長雨のことを云うらしいし
「五月晴れ」は梅雨の中休みの晴れ間のことで、
「五月蠅い」も梅雨時の昆虫の飛ぶさまとあれば
暦が変わったといえ、日本語もまた粋なものだ。
花ショウブが咲き、あじさいが色づきはじめて
季節の節目を、花鳥風月の自然が伝えてくれる。


五月雨や 尾を出してそうな 石どうろ  泉鏡花