隠居の独り言(998)

分類上では自分は高齢者の一員だが、今なおラテン音楽の愛の歌を歌っている。
年甲斐も無いとおっしゃる方もいなくはないが年甲斐とは世間が定めることで
幾つになってもロマンを持ち続けることが自分なりの生き方だと決めている。
特にラテン人は血の気も多いが楽天的で年齢に拘らずいつも青春の気分でいる。
数年前にペルー出身の天才ギタリストManuel氏と中南米各地で音楽を学んだ
Keikoさんと出会ってラテントリオを組ませて頂いたが何よりの収穫と喜びは
いつも傍に極めつけのラテンがあることでこの無上の感覚は言葉に尽くせない。
ラテン音楽は美しい恋の歌、人生を語る歌、踊りのためのリズミカルな歌まで
人間の本質を捉えた奥の深さを感じ音楽のジャンルの中で最も気に入っている。
トリオはManuel氏が弾く高音のレキントギター(普通のギターより5度高い)
Keikoさんが弾くクラシックギター、そして自分のベースギターのハーモニーで
高低音の差の大きく広がるボリューム感は身体全体に沁みこむように響いてくる。
ボーカルは声のキーの違う三人だがコーラスでハモル一体感は言いようがない。
Manuel氏の言葉は「楽しく素直に、スイングをもって、演奏は豊かな表情で」
生まれながらの才は楽譜という媒体を必要とせず音楽を直接、純粋に奏でるが
彼の脳の中の回路はどうなっているのか?凡人には解せない才能を秘めている。
歌詞のスペイン語はKeikoさんに教えを乞うているが言葉を覚えるのも格別で
脳の活性化にはこれに勝るものは無い。音楽に国境は無いが言葉の壁は厳然で
それを超越するテクニックが欲しいところだが練習で克服するしかないだろう。
音楽の難しさや苦労も多いが新しい人生のレパートリーは何事に替えられない。