隠居の独り言 168

皆さま、今年もどうぞ宜しく「独り言」をお願いいたします。「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」一休が詠ったとされるが人は桜の花が舞い散る様を見て足を止め、その美しさの反面に世の儚さを感じたりする。それは人の一生の儚いことを悟るようで桜花は散っても大樹は新緑に衣替えして四季を巡り冬樹を通し来春には再び花の宴をするが人の肉体は枯れれば再び甦らない。人生の四季は一回きり!改めて生きる喜びとその意義を大切にしたいと痛感する。さて正月恒例の楽しみの一つは箱根駅伝で普段はあまり見ないテレビから目が離せない。選ばれた21校の大学の名誉を担って死闘を繰り広げる。選手たちは与えられた区間をひた走るが、それは選手のレースに対する責任感と孤独との戦いと、駆け引きもあり強靭な精神力と頑張りに理屈を通り越した感動に胸を打つ。ランナーは私達の生きた教訓で、人は社会に生きる以上、前向きな頑張りと責任感を持ち合わせねば、失格といえる。初日の往路は読売新聞社前から箱根の関所まで、翌日は箱根からそれぞれ5人が襷を手渡しながら走り抜いていくが何といってもハイライトは小田原から箱根の関所まで往路の第5区だろう。実際にここは最重要区間で、急坂を人間とも思えないスピードで駆け上がる強靭な選手は見事そのもの!駅伝の最も感動する場面は襷を次の走者に渡した直後に倒れたり、抱きかかえられ、名誉のため全てを出し切った彼らは余りにも美しい。今年は本命の青学を破って東海が優勝したけれど、これも駅伝の歴史の一つ。人生も社会も宿命の波に揉まれて時間が流れる。数々のアクシデントを乗り越えて、ひたすらに走る駅伝を見て感動を覚える。