隠居の独り言(461)

少子化の問題が前から叫ばれているのに国民の意識の無さや政府の無策ぶりが
浮き彫りになっているような数字が報道されている。子供を育てるのに教育の
費用だけでも、幼稚園から大学まで全て国公立の学校で学んだ場合の学習費は
約860万円に対して私立の場合は約2260万円と2,6倍になることが分かった。
でもこれは数字の計算だけで公立の小中高の学校の勉強だけではとても国立の
大学へは入れない。小学高学年の私立中学校への学習塾の年間費用は75万円、
公立の中高生でも塾通いは75%にも達するが支出する費用は年平均が25万円、
経済アナリストの森永卓郎氏は「学校以外の勉強に多額の費用が掛かるので
親の収入が高くないと、いい大学に入れない現実がある」と指摘をしている。
その他、子育ての衣食住に掛かる費用は大変なもので愛情だけでは育たない。
子供を産みたくても育てられない。ますます少子化に拍車が掛かる悪循環だ。
一方、政府は来年度予算で小中学校の教員を増やす計画らしいが役人の考えは
いつもながらピントが外れている。「ゆとり教育」とやらで学校は週休二日制
学習時間は戦前の約6割だそうで教員の労働条件に沿った今の公立の勉強では
世界の先進国の水準にも達せず、結局は塾通いで親の負担が増えて、ますます
収入格差がそのまま教育格差になっている現状を文部科学省はどう思うのか。
我が家の場合は小さい孫達が6人で、大雑把に見積もっても教育費だけでも
一億円を超してしまう気の遠くなるような話だが、現実は待ったが効かない。
文部科学省は子供が塾へ行かなくてもいいような質の高い教育を目指すべきで
教員を増やせばいいと云うような事ではない。せめて週35時間、土曜日復活、
宿題の充実、夏冬休みの短縮、教員の出来ることはいくらでもあるはずだ。
私立と違って公立は競争原理の導入をためらうのは、生徒もやる気を無くして
先生の質の良し悪しでも給料が変わらないのは教員のやる気も無くしている。
長い人生で子供時代に鍛えなくて、いつ鍛えるのだろう。学校は子供のためで
決して教員のためではない! 日本の将来、政治の百年の計が欲しい。