帽子屋

harimaya2010-12-22

今は絶滅寸前の希少動物の帽子職人だが
一世紀前辺りの明治・大正・昭和にかけ
上場一部に東京帽子、帝帽、富士帽など
一流企業が名を連ねていた。古い写真を
見ても街を歩く男性の殆どが帽子を被り、
喩え着物姿でも下駄を履いても鳥打帽や
カンカン帽は必需品だった。洋服姿には
中折れが似合い家には帽子掛けがあった。
学生に学帽があり軍隊に軍帽があり、警官、消防士、郵便配達も全て帽子があった。
街には帽子が溢れ男性の数と同数の頭のお洒落は職人の丹精込めた匠の製品だった。
栄枯盛衰という言葉がある。職人は老齢化が進み昔の繁栄は戻ることはないだろう。
今や店頭に並ぶ殆どの物品は外国産で占められているがこれでいいのか首をかしげる
物作りの空洞化は何も帽子屋だけではないが、技術立国の日本の将来の展望が無い。