2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

今年の桜

近年になく、気候と花の満開が週末に重なって 今年の桜ほど、日本中が燃えた年はないだろう。 私も週末に新宿御苑に足を運んだが人出の多さは 凄まじく、入場券売り場も長蛇の列で約15分待ち、 入れば人人人のイモを洗うようで、これは花見だか 人見?だか、…

小僧一人旅(13)

三年間も待て、というのは先物取引の空手形のようで、誰も信用しないのは当たり前で 女心は男の決断と実行力を待っている。それを読めなかった小僧の未熟さがダメにした。 当時の結婚の統計は知らないが、恋愛結婚よりお見合い結婚の方が多かった気がする。 …

春の海

「春の海、ひねもす、のたりのたりかな」 与謝蕪村 “ひねもす”は一日中だが、トシを重ねると一年中、 のたりのたりと暮らしたい。春の夢、いや人生の夢かも。 まどろみながら、生きてきた自分を振り返るのもいい。 過去は戻らないが、今日のうたたねは苦労の…

小僧一人旅(12)

日比谷公園の花壇はチューリップの華やかな色に映えて傍は大勢のカップルたちが 青春を謳歌していた。相手は女将の遠縁の人で「おかず横丁」の寿司屋の二階で お見合いをし、改めて日比谷のあたりを散策しながらお互いの身上を探り合っていた。 小僧は便箋に…

ゆきやなぎ

通勤路の墨堤通りには雪柳が植えられ今が美しい。 花見と言えば桜だが、その華やかさに較べれば 地味で質素に楚々として咲く雪柳はしおらしい。 桜の木の高い手の届かない“高嶺の花”に対して 雪柳はすぐ傍にいて、優しく手を差し伸べている。 「花の宴」に疲…

小僧一人旅(11)

中国の五行説は「木火土金水」の五つが天地万物の全てが当てはまると考えられている。 小僧は四月生まれの木星、対応する方角は東、色は青、季節は春。そうだ!青春なのだ! なにかの本で読んだ生半可な知識でも、それに依った自信と言うのも恐ろしいもので …

ニカイの女がキにかかる

昨日からの暖かい春の陽気に都内の桜は一気に 花が開いて、いやがうえにも気持ちが騒ぐ。 小学生のころ、母から「櫻」という字は このように覚えればいいのよ、と教わった。 「漢字分析歌」の言葉遊びはいろいろあるが ①松という字を分析すれば キミとボクと…

小僧一人旅(10)

来てくれた裁断士はとても気さくな人で太平洋戦争を戦った引揚者の一人で支那(中国) からマレー半島、ビルマ(ミャンマー)まで戦地を歩いたらしいが、小僧もその話を 聞くのが楽しみだった。昼休みとか、三時休みにはお茶を飲みながらの裁断士の話は 居な…

春眠暁を覚えず

陽気がポカポカしてくると朝の寝覚めは悪い。 トシを取ると早寝早起きになる人が多いが 私はナマケモノのせいか年中暁を覚えない。 夏目漱石の“草枕”に「猫は鼠を捕るのを忘れ 人間は借金のある事を忘れる」とある。 でも最近のネコはすっかりグルメになって…

小僧一人旅(9)

小僧は近くの医者に走り往診してもらったが脳出血とかで、しばらく安静にして 入院させなくてはとのことだったが、入院費用もなく、お婆さんは内縁関係の こともあって本家に小僧は連絡したが「そちらで処置してください」との冷ややかな ご返事にお婆さんと…

さっちゃん

先日、童謡「さっちゃん」の作詞家が亡くなられた。 ♪さっちゃんはね バナナが大好き ほんとだよ だけど ちっちゃいから バナナを半分しか たべられないの かわいそうね さっちゃん♪ かつては、我が家にも「さっちゃん」がいた。 でも子守唄がわりにこの歌を…

エミール・ガレ展

先日、東京江戸博物館に「ガレ展」を観に行ったが、 展示日の終了前とあって長蛇の列で混みあっていた。 ガレの陶器、ガラス器、家具など展示品の数々は そのデザインと繊細さまでの美しさに驚嘆した。 このような素晴らしい名作が、我が家に一つでも あった…

小僧一人旅(7)

「商冥加」と云う言葉がある。一つごとを「飽きない」でやり続けることを出来る事と、 冥加は神の恵みのことだから、頑張れば神様もきっと応援して下さる、そんな言葉の 意味と思う。今は貧じくも継続がいつか花開くと信じる事が出来るのは若さの特権だ。 「…

四月一日

今日から新年度、昔は四月一日を“わたぬきの日”と 呼んだそうな。これまで着ていた綿入れの着物から 綿を抜いて、それを着たそうだが、それほど質素な 生活をしていたのでしょうか。昔の衣替えは今日。 サクラの開花、新しい門出を祝うようで、そわそわ した…