隠居の独り言 95

歴史を振り返る。78年前9/27日、重大な歴史の一瞬があった。その日、ベルリンで調印された日独伊三国同盟はどう考えても無責任で軽率すぎた。国内で、どれほど議論が尽くされたのか、陸軍と海軍の軋轢があったらしいが一般には知らされていない。国会での論…

隠居の独り言 94

彼岸に日本人の宗教観とキリスト教など一神教との違いを歴史に思う。約9世紀前のアルプス山脈北の欧州大陸は奥深い森に覆われていた。当時から住んでいたケルト族やゲルマン族は深い森には精霊がいると信じ樫、樅、楡などの巨木を神の宿なる樹として敬い信仰…

隠居の独り言 93

日本人の国語力が落ちている。もう何年も前から指摘され、憂慮されているが一向に改善されない。このほど文化庁で日本人の国語の意識の現状を調査したが、例えば学生に手紙を書く意識を問うてもあやふやで大人になると皆無で今やメールで簡単言葉で情報交換…

隠居の独り言 92

頃は1600年9月中旬、天下分け目の関が原で東軍の徳川家康が圧勝したが、時が下って2018年9月の自民党総裁3選で安倍晋三が前評判通りに圧勝した。政治の世界は昔も今も運と権謀術数の優れた人物が最終の栄冠を手にするが晋三もあの柔和な顔に似ず、なかなかの…

隠居の独り言 91

今日から彼岸の入り。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものだが、人間も勝手で、あれほど今年の酷暑だったのに過ぎてみると夏が懐かしい。秋分の日は太陽が真西に沈むので西方浄土の考えから十万億土と現世が直線に結ばれ、ご先祖が里帰りされる。その時期…

隠居の独り言 90

子規庵を訪れた。鶯谷駅徒歩5分。明治の俳人・正岡子規が約8年住んだ終焉の地で、明治35年9月に亡くなった子規が臨終を迎えた長屋の一角は台東区根岸の路地裏にあり建物は戦後再建されたものだが子規が住んだ明治の風情は今も残る。子規は死の前日「へちま…

隠居の独り言 89

昨日ギックリ腰をやってしまった。朝の歯磨きをしようと腰をかがめたときガクっときた。若い時は無理な姿勢や重いものを持ち上げた負担でなるものだが、歳を取ると何の理由もなく、フトした体勢で来るとは老化現象だろう。前ぶれなく突然襲うギックリ腰には…

隠居の独り言 88

東京のバスに乗るとアナウンスで「東京にお住まいで70歳になられた方はシルバーパスの購入ができます」と説明がある。高齢者は年間1000円で(高額所得者は20510円)都営バス、都営地下鉄など無料になる。高齢者には有難いことだけれど、これらの負担は都税で…

隠居の独り言 87

「敬老の日」今年は9月第3月曜日に連休変更されたが、それはどうでもいい。先日総務省から発表された高齢者人口は3186万人で過去最多で総人口に占める割合は25.0%強で、過去最高となり4人に1人が高齢者となる。高齢者への社会保障予算は約30兆円で毎年1兆円…

隠居の独り言 86

今回も安倍首相とプーチン大統領がロシアのウラジオストクで通算22回の会談を行ったが北方領土は何の進展も無かった。そのうえ12日にプーチン大統領は日露平和条約を前提条件無しで締結しようと提案したという。随分と日本は舐められたものだ。両首脳の在…

隠居の独り言 85

ボクはシャンソンが好きで特にシャルルアズナブールに若き青春の日々を重ね合わせる。フランス・パリ出身のシンガーソングライターで彼のシャンソンはその殆どが愛の歌を謳い上げている。イザベル、ボエーム、マンマ、愛のため死す、帰り来ぬ青春・・何度聞…

隠居の独り言 84

朝、おさんどんをする。ご飯にシラスとネギを混ぜた納豆、海藻類の味噌汁・・毎朝食べられる幸せを思い箸を運ぶ。昭和一桁生まれにとって、戦争末期から戦後にかけての最も食べ盛りだった飢餓時代に考えも及ばなかった朝食。当時は芋類もスイトンも贅沢だっ…

隠居の独り言 83

結果論だが、今回起きた地震による北海道全島に亘る停電事故は、泊原発が稼働していたら停電は無かった。日本は福島の失敗で、原発は禁句のようになっていて今の世界一厳しい原発再稼働の条件も住民の反対でままならず、今は殆どの国内の原発が止まっている…

隠居の独り言 82

テレビのドラマで以前の映画を見た。「楢山節考」だが、年金も保険も無いあの時代の年寄りは非生産者として間引きされる運命にあった。物語では村の掟に従って70歳になった母を捨てるため、息子は山へ連れて行く。息子(緒形拳)と母(坂本スミ子)の好演は…

隠居の独り言 81

またニュース報道の「幼児虐待事件」は聞くのも嫌になる。「お使いに出した子供をそっとつけ」江戸古川柳にあるが、初めてのお使いに行った子供を心配して尾行する親心は期待・心配半分の心境なのだろうか。なんとも微笑ましい。以前は孫のお使いに我が家の…

隠居の独り言 80

瀬戸内寂聴の「現代語訳・源氏物語」を読んで主人公の光源氏が恋した年上の女性の多さに、平安時代の昔は現代と違って女性上位の時代だったのかと思ってしまう。最初の恋の藤壺は5歳年上、正妻の葵も4歳年上だがそれに飽き足らず愛人の六条御息所は7歳も年上…

隠居の独り言 79

今更ながら先の戦争で日本が無条件降伏した日は1945・8・15。ところで占守(しゅむしゅ)島を知っている日本人は非常に少ない。千島列島の最北端の島で終戦時に島には日本の守備隊がいた。戦車部隊・約23000人の日本軍が無傷のまま島を守っていたが、終戦後…

隠居の独り言 78

昨日の夕飯のおかずはサンマで、焼きたては実に美味しい。今年はサンマが豊漁だという。サンマは、冬から春にかけて餌を求めて北へと北上し、たっぷり栄養を蓄え丸々と太ると、今度は産卵の為に南へ南下してくる。北海道の道東沖では、移動するサンマの通り…

隠居の独り言 77

9月になって朝晩が涼しくなったが人間なんて勝手なもので暑い夏の日は早く涼しくならないかと願ったのに秋になるとエネルギッシュな夏の日を懐かしむ。横網公園の蝉時雨もフィナーレにミンミン蝉が夏も終わりだよ、秋が来たよ、と知らせてくれ、今年の異常…

隠居の独り言 76

幼児の虐待が相次いでいる。埼玉県草加市で生後8か月の長女を真冬の自宅トイレに20時間放置し、凍傷を負わせた幼児虐待は日常的に暴力を加え骨折も数か所あったという。子は親を選べず可哀相としかいいようのない残忍な事件だ。そんなに子供が嫌いなら、最初…

隠居の独り言 75

先週NHK大河ドラマ「西郷どん」は「薩長同盟」だったが、歴史の節目からいえば黒船来航を機に日本列島辺境の薩摩と長州が手を結んで中央の幕府を倒すのは必然の大河の流れで18-19世紀という時代は日本のみならず、世界各地が大きく変貌を遂げた節目の世紀だ…

隠居の独り言 74

瀬戸内寂聴の「現代語訳・源氏物語」を読んで主人公の光源氏が恋した年上の女性の多さに、平安時代の昔は現代と違って女性上位の時代だったのかと思ってしまう。最初の恋の藤壺は5歳年上、正妻の葵も4歳年上だがそれに飽き足らず愛人の六条御息所は7歳も年上…

隠居の独り言 73

子供の夏休みが終わる。しかし悲しくも許し難いデータで18歳以下の自殺者数のデータによると、この50年間で自殺で亡くなった人が最も多いのは「9月1日」だという。その殆どが、イジメが原因で、理由も暴言、暴力、無視、セクハラなど・・多々あるけれどLINE…

隠居の独り言 72

八月も終わりに近づき、先の戦争の回顧のひとまとめする。昭和15年4月ボクは大阪市西成区岸里小学校に入学した。その年の記憶で覚えているのは「皇紀・紀元2600年」での数々の行事で街に花電車が走り国を挙げての祝いだった。♪金鵄輝く日本の 栄ある光身に…

隠居の独り言 71

近々煙草税が上がる。煙草は体に悪いと知りながら止められない。最近の夏の夜は自然のホタルより人間のホタル族のほうが圧倒的に多いという。「煙草は優しい麻薬である」脚本家で作家の久世光彦が上手いことをいった。健康に良くないと知って吸うのは意思弱…

隠居の独り言 70

田舎から上京して二年後の1950年6/25日、朝鮮半島を南北に分ける北緯38度線で突如、戦争の轟音が響いた。その日に北朝鮮は韓国に向けて宣戦布告し砲撃を開始し、戦車部隊を先頭に北朝鮮が38度線を突破し朝鮮戦争が始まった。今現在の朝鮮問題の発端はこの日…

隠居の独り言 69

人はみな敵を持っている。敵は少ないに越したことはないが、生きている限り生存競争で敵に包囲されているようなものだ。でもライバルは自分を成長させてくれるのも事実で、多くの敵と戦ってきた経験と競争が将来の成長を大きく左右する。ボクの次女に5人の孫…

隠居の独り言 68

大阪富田林署から逃走した男は未だに捕まらないようだが、犯人も若い女を狙った、ひったくりや強姦など相当なワルだ。最近の凶悪犯罪は自己中心的で通行人からお金や物品を強奪するのが通常のようになってきているが日本人の心も随分と堕ちたものと思う。今…

隠居の独り言 67

暑い夏は寒いシベリアの痛恨を想起させる時でもある。江戸時代の後期に幕府の下役人で千島のエトロフ島に赴任していた間宮林蔵が、地理や算術の才能を持って同地に来ていた伊能忠敬に測量技術を学び、幕府から享和3年(1803年)西蝦夷地を測量することを命じ…

隠居の独り言 66

日本は少子高齢化が進んでいる。しかもOECD諸国の中で最も少子高齢化が進んで世界の、どの国も経験したことない加速度的スピードで人口減少と高齢化が進行しているという。先月、厚生労働省から発表された人口統計でもはっきりした。日本の人口経緯を振り返…